回遊動線を取り入れるメリットとデメリット
こんにちは、道北振興の見角です。
家の間取りをつくるにあたり、考えなければならないのが『動線』。
動線ひとつで、暮らしやすさや家事効率は劇的に変化します。
お客さまの要望によって、弊社でも『回遊動線』を取り入れることがあります。
回遊動線とはその名のとおり、空間をぐるぐる回ることのできる動線のこと。
回遊動線というと、以前は玄関からリビングを通ってキッチンへ行く動線と、玄関から水まわりのあるバックヤードを通ってキッチンへ行く動線に分かれているのが一般的でした。
そのように動線を分けることで、買い物をして帰ってきてもリビングを通らずにキッチンへ行くことができ、子どもたちやお客さまはキッチンの前をとおることなくリビングへ出入りできるというわけです。
最近ではコロナ禍の影響もあって、そんなお客さまのご要望にも少し変化が生じています。
まず、玄関ホール付近に手洗いを設け、そこから洗面室脱衣室、キッチンへと移動。可能であれば、洗面脱衣室の隣にファミリークローゼットを設けます。
家に帰ったらまず手を洗ってうがいをし、ファミリークローゼットで着替えて脱いだ衣類は脱衣かごへ。これなら、LDKまで菌を持ち込む心配がありません。
奥様のためのバックヤード側の動線がご家族全員で使用する動線へと変化し、リビング直通の動線はお客さま専用という考え方が、浸透しつつあるようですね。
ただし、回遊動線には“床面積が増える”というデメリットがあります。
本来1か所だけでよいはずの通路を2か所に設けるわけですから、その分どうしても面積は大きくなります。
1階にファミリークローゼットを配置すれば、建築面積はさらに大きくなります。
洗面脱衣室など出入り口が二方向に必要となる分、収納に使えるスペースが少なくなり、それを補うためには、さらに面積を増やす必要があります。
面積の増加は建築費の増加に直結しますから、どうしても回遊動線を取り入れたいのであれば、ほかの部屋を小さくするなどの対応が必要となります。
便利で機能的な回遊動線ですが、建築費のことも頭に入れて、計画的に導入するようにしてください。